『梨泰院クラス』は、私にとって単なるドラマではありません。信念を貫き通す男、パク・セロイの生き様と、彼が夢を叶えた街、梨泰院(イテウォン)の物語です。多様な文化が混じり合うこの街は、まさにドラマのもう一人の主人公と言えます。
私がこの聖地巡礼ガイドを書く理由は、皆さんにドラマの感動を再燃させ、物語の核心に触れる旅を体験してほしいからです。セロイが駆け上がった梨泰院の坂道を自らの足で登ることで、彼の不屈の精神を肌で感じられます。このガイドが、あなたの旅を最高のものにするコンパスになります。
『梨泰院クラス』の聖地巡礼|主要ロケ地を徹底解説
梨泰院の聖地巡礼を計画する上で、まず全体の地図を頭に入れることが重要です。私が巡礼に役立つ主要なロケ地の情報を一覧表にまとめました。この表を使って、あなただけのオリジナルルートを組み立ててみてください。
ドラマ上の名称 | 実際の名称(現在) | エリア | 主なシーン/重要性 |
緑莎坪陸橋 | 緑莎坪歩道橋 | 緑莎坪 | セロイが夢を誓い、イソと語り合った象徴的な場所 |
初代タンバム | ソウルバム | 緑莎坪 | 伝説が始まったセロイ最初の店 |
2代目タンバム | URBAN CLIFF | 解放村 | 移転後の店舗で絶景のルーフトップが特徴 |
チャンガ本社 | ステートタワー南山 | 明洞/会賢 | チャン会長が君臨する権力の象BUN |
城壁のある公園 | 南山白凡広場公園 | 南山 | セロイとイソの初キス、カン理事との密会場所 |
原作者の店 | クルバム | 梨泰院 | ドラマのモデルとなった原作作家経営の店 |
グンスの考試院 | Gゲストハウス | 梨泰院 | グンスが暮らし、イソが対決した因縁の場所 |
IC株式会社本社 | Gタワー / IBSタワー | 仁川・松島 | セロイの成功の頂点を示す未来的なビル |
緑莎坪・解放村エリア|セロイの夢と苦悩を追体験する道
聖地巡礼の心臓部といえるのが、緑莎坪(ノクサピョン)と解放村(ヘバンチョン)エリアです。ドラマの最も感情的なシーンの多くが、この場所に凝縮されています。私が実際に歩いた経験から、このエリアは物語の世界に深く没入できる最高のルートだと断言します。
緑莎坪陸橋|物語の象徴的な出発点
ここは、セロイが梨泰院の街とNソウルタワーを眺めながら野望を固めた、物語の魂ともいえる場所です。私自身、この陸橋に立った時、まるでセロイの決意が乗り移ったかのような高揚感を覚えました。巡礼をここから始めることで、ドラマの原点に触れられます。
アクセスは地下鉄6号線「緑莎坪駅」の3番出口を出てすぐの横断歩道を渡ると、陸橋への階段が見えます。ドラマの雰囲気を味わうなら、Nソウルタワーが美しくライトアップされる夕暮れ時から夜が絶対におすすめです。
初代タンバム|伝説が始まった聖地
緑莎坪陸橋から坂を少し登ると、セロイの夢が初めて形になった初代「タンバム」のロケ地に到着します。ファンにとって、ここはまさに伝説の始まりの場所です。
現在は「ソウルバム」という居酒屋として営業していますが、幸いにも外観はドラマ当時の面影を色濃く残しています。壁にはかつての「단밤(タンバム)」の看板の跡がうっすらと残っており、ファンならずとも感慨深い気持ちになります。訪問の際は、隣のコンビニの外壁に飾られているパク・ソジュンとクォン・ナラのサインも見逃さないでください。
2代目タンバム|絶景のルーフトップで感じる新たな決意
チャン会長の妨害によって移転した2代目のタンバムは、解放村の丘の上にあります。この場所は、私が訪れた際に最も注意が必要だと感じたスポットです。以前は「Oriole(オリオール)」という店でしたが、現在は「URBAN CLIFF(アボンクリフ)」という店名に変わっています。
この店の魅力は、何といってもソウルの街並みを一望できる圧巻のルーフトップテラスです。セロイたちが新たなスタートを切ったこの場所で同じ景色を眺めれば、感動もひとしおです。ただし、最寄り駅から急な坂道をかなり登るため、マウルバスやタクシーを利用することを強く推奨します。
梨泰院とその周辺|物語を彩る重要なスポット
緑莎坪と解放村エリアを堪能したら、次は少し足を延ばして、物語に深みを与えた他のロケ地を巡りましょう。これらの場所を訪れることで、『梨泰院クラス』の世界がより立体的に見えてきます。
チャンガとの対決の舞台|権力の象徴と戦いの前線
セロイの宿敵、チャン・デヒ会長が支配する巨大企業チャンガのロケ地は、物語の緊張感を追体験するために欠かせません。権威の象徴として登場した本社ビルは、明洞エリアにそびえる「ステートタワー南山」です。その威圧感は、写真で見る以上のものでした。
若者の街、弘大(ホンデ)には、スアが責任者を務めたチャンガ屋台の外観が撮影された「マンマンココロ 弘大店」があります。一方で、店内のシーンが撮影された「コダチャヤ 弘大店」は残念ながら閉店しているので、訪問の際は注意が必要です。
登場人物たちの足跡|グンスの隠れ家と原作者の店
物語を彩った他のキャラクターたちの軌跡を辿るのも、聖地巡礼の醍醐味です。チャンガから逃れたグンスが身を寄せた考試院は、実際には「Gゲストハウス梨泰院」という宿泊施設です。ここは静かな住宅街にあるため、私が訪れた際も、住民の方々の迷惑にならないよう細心の注意を払いました。
巡礼の締めくくりとして私が強くおすすめしたいのが、原作者チョ・グァンジン氏が経営する居酒屋「クルバム」です。ここは「タンバム」の精神的なモデルとなった場所で、店内には原作のイラストが飾られています。まさに物語の源流に触れられる、ファンにとって最高の空間です。
梨泰院を越えて|セロイの成功を象徴する場所
物語のクライマックスでは、セロイの戦いの舞台は梨泰院を越えて広がります。時間に余裕があれば、これらの場所を訪れることで、彼の成功のスケールをより深く実感できます。
南山白凡広場公園|ロマンチックな名シーンの舞台
ソウルの中心に位置するこの公園は、物語の重要な転換点となりました。セロイがジョギングしていた城壁沿いの道、そして最終話でイソと感動的な初キスを交わした場所として、ファンの記憶に深く刻まれています。
私がこの場所を訪れたとき、穏やかな雰囲気の中でドラマのシーンを思い出し、胸が熱くなりました。地下鉄4号線「会賢駅」からアクセスしやすく、チャンガ本社ビルと合わせて訪れるのが効率的なルートです。
IC株式会社本社|未来都市・松島で見る成功の頂点
セロイが築き上げた企業「IC」の近未来的な本社ビルは、ソウルから少し離れた仁川の松島(ソンド)で撮影されました。ここは、セロイの苦労が報われた成功の頂点を象徴する場所です。
松島にある「Gタワー」や「IBSタワー」がそのロケ地です。同じく松島の「トリプルストリート」は、イソがセロイに初めて想いを告げたイルミネーションが美しい場所でもあります。ここまで足を運べば、あなたは真の『梨泰院クラス』マスターです。
まとめ
『梨泰院クラス』の聖地巡礼は、単にドラマのロケ地を巡るだけの旅ではありません。それは、パク・セロイが示した「信念と気骨」というテーマを、自らの足で、心で、再確認する貴重な体験です。
彼が梨泰院の街を見下ろした陸橋に立ち、彼が夢を語った店先を訪れることで、ドラマが伝えたかったメッセージがより深く胸に響きます。私がこのガイドを通して伝えたかったのは、その感動です。この旅が、あなたの人生における新たな一歩を踏み出すためのインスピレーションとなることを心から願っています。